武蔵新田との縁をたどって、新田氏のふるさとへ
数年ぶりに、太田に住む友人に会いたくなりました。「今度、太田へ遊びに行くね」という一言から始まった一泊二日の旅です。
一番の目的は友人に会うこと。でもせっかく太田まで行くなら、新田の歴史も見たいし、金山城にも行ってみたい。太田はインド料理店が多い町なので、美味しいインド料理も食べたい。私の好きなものを、友人との再会に少しずつ組み合わせた旅になりました。
武蔵新田との不思議なご縁
実は私は横浜へ引っ越す前、東京都大田区の武蔵新田に約10年住んでいました。新田神社の前を通り、武蔵新田という駅を使い、「新田」という名前は私にとってごく身近なものでした。ところが、その「新田」のふるさとである群馬県太田市には行ったことがありません。今回は、長年親しんできた新田の故郷へご挨拶に行くような気持ちもありました。
もう一つ。私が南インド料理を好きになったのも武蔵新田でした。駅前に南インド料理店ができて通ううちに、すっかり夢中になったのです。今回会う友人も、その頃武蔵新田まで遊びに来てくれて、一緒にそのお店で食事をしたことがあります。何年も経って、今度は友人の住む太田でまた一緒にインド料理を食べる。それも今回の楽しみの一つでした。
太田駅に到着
太田駅に降り立つと、駅前ロータリーでは熱中症対策のミストが噴射されていました。駅前の温度計は32℃。今日は暑くなりそうだなぁと思いながら、友人と合流しました。


まずは南インド料理「イエロームング」
最初に向かったのは、駅前から歩いてすぐの南インド料理店「イエロームング」。向かう途中にもインド料理店が何軒もあって、本当にこの辺りはインド料理屋さんが多いんだなぁと、まずそこに驚きました。
イエロームングは、たぶんインド人のご主人と日本人の奥様のお二人で営業されている、小さくてとても可愛らしいお店です。ランチメニューは日替わりのみで1,900円。この日の内容は、チャパティ、バスマティライス、3種類のカレー、ポリヤル、ピクルス、ワダ2個でした。
ワダは揚げたてで、外はサクッ、中はふんわり。やっぱり揚げたては美味しいですね。

店内にはカレーリーフ、ニーム、モリンガが鉢植えで育てられていました。
「室内でも育つんですね」と聞くと、「外は暑すぎてダメになっちゃうんです」とのこと。北関東の夏、恐るべしです(笑)。
「新田の荘」に行きたい!
昼食のあと、友人の車で新田荘歴史資料館へ向かいました。
私が「新田の荘に行きたい」と言うと、友人は「お切り込みのお店?」と(笑)。
どうやら「新田乃庄」という郷土料理のお店があるそうです。お切り込みも美味しそうですが、今回行きたかったのは歴史資料館のほうです。
新田荘歴史資料館で歴史がつながる
資料館はそれほど大きくありませんが、その分、一つひとつの展示をゆっくり見ることができました。そしてここで、私の中の新田氏のイメージが大きく変わりました。

それまで新田義貞については「新田義興のお父さん」くらいの認識しかありませんでした。武蔵新田で親しんできたのは義興のほうだったからです。ところが資料館で知ったのは、義貞が鎌倉幕府を実質的に倒した人物であり、その後も京都や北陸など日本中を転戦した、スケールの大きな武将だったということ。こんなに歴史の中心人物だったとは知りませんでした。
以前から不思議だった「徳川家康はどうして新田氏を名乗ったのだろう?」という疑問も、家康自身の政治的な自己プロデュースだったという説明を読んで、とても腑に落ちました。
展示を見終わったあとは売店へ。岩松家ゆかりの「バロンキャット」の猫の絵を使ったアクリルスタンドとクリアファイルを見つけて、お土産に購入しました。この猫の絵も今回初めて知ったのですが、面白い歴史があります。没落した岩松家の人物が生活のために描いた猫の絵が、養蚕農家では「ねずみ除け」の縁起物として広まり、今でも太田の名物として親しまれているそうです。歴史というのは、教科書だけでは分からないものですね。
武蔵新田とのご縁から始まった今回の旅。新田義貞、新田荘、岩松家…。少しずつ頭の中で点と点が線につながっていくような時間でした。

もう一度食べたかったシャングリラ・モーティ
新田荘歴史資料館でたっぷり歴史を勉強したあとは、少し休憩することにしました。
Googleマップで見つけた「カフェロッシー」
友人とGoogleマップを見ながら見つけたのが「カフェロッシー」というお店。着いてみると、どう見てもお蕎麦屋さんです(笑)。純和風の建物で、中へ入ると畳の小上がりもあります。本当にここカフェなの?と思うような雰囲気ですが、コーヒーはとても美味しかったです。メニューにはパンケーキやパスタもあって、こちらも美味しそう。今回はコーヒーだけにしましたが、次回はぜひ食べてみたいです。
帰り際に「以前は何のお店だったんですか?」と聞いてみると、「うなぎ屋さんでした」とのこと。なるほど、あの建物の雰囲気に納得です。

旅の目的は、やっぱり友人との再会
カフェでは友人と本当にたくさん話をしました。歴史の話、仕事の話、近況報告、最近あった出来事。数年ぶりに会ったとは思えないくらい、話は尽きません。今回の旅は新田の歴史も楽しみでしたが、一番の目的はやっぱり友人に会うこと。こういう時間が一番の贅沢だなと思います。
夜はシャングリラ・モーティへ
夕食は、以前から「もう一度行きたい」と思っていたシャングリラ・モーティ。実は太田へ来るのは今回が初めてではなく、以前訪れたときにこのお店で食事をして、その美味しさが忘れられませんでした。だから今回も、夜はここで食べると最初から決めていました。
少し早めの時間に着いたのに、駐車場はすでに車がいっぱい。決して安いお店ではないのに、この人気には驚きました。
今回はドーサ・ミールス
前回来たときは南インドのイベントで、バナナの葉の上に料理を次々盛り付けてもらうスタイルの食事会に参加しました。今回は通常メニューからドーサ・ミールスを注文。運ばれてきた料理を見ただけで笑顔になります。
ラッサムもサンバルもとても味わい深く、私の好きなタマリンドの酸味がしっかり効いていて、スパイスの輪郭もはっきりしています。ああ、これこれ。「また食べたい」と思っていた願いが叶いました。

昼はイエロームング、夜はシャングリラ・モーティ。一日に二回インド料理を食べるなんて普通はあまりないかもしれませんが、友人は嫌な顔ひとつせず付き合ってくれました。武蔵新田に住んでいた頃も一緒に南インド料理を食べた友人と、何年も経って、今度は太田でまた一緒にインド料理を食べている。それがなんだか嬉しかったです。
この日の宿はアパホテル
宿は駅前のアパホテルで、料金は6,650円。最近はビジネスホテルもずいぶん高くなったので、この価格はありがたいです。ホテルは新しく、部屋もとてもきれいでした。
翌日は朝7時半に友人が迎えに来てくれることになっています。金山城は少し歩く予定なので、できるだけ暑くなる前に見学したい。そんな相談をして、朝早い集合になりました。

シャワーを浴びてベッドに横になると、あっという間に眠くなりました。友人との再会、美味しいインド料理、そして新田の歴史。旅の一日目は、思っていた以上に充実した一日になりました。
【群馬・太田旅行③】金山城に感動!そして最後まで太田を満喫した24時間
朝7時に起床。支度をしていると、あっという間に7時半です。今日は金山城へ。少し歩く予定なので暑くなる前に見学したいと、朝早い集合にしてもらいました。
山登りではなく、お城歩き
友人は普段から山登りをしている人なので、「ここから歩く?」「もう少し登る?」という調子です(笑)。でも私は最近体力も落ちてきたし、そこまでの根性はありません。というわけで、一番上の駐車場まで車で連れて行ってもらいました。
朝早いのに、山を歩く人がたくさんいます。すれ違うたびに「おはようございます」と自然に声を掛け合っていて、ああ、ここは山なんだなと実感しました。私はお城を見に来たつもりだったんですけどね(笑)。
金山城、これは本当にすごかった


金山城は想像以上でした。歴史好き、お城好きなら間違いなく興奮すると思います。
金山城は約120年間、武田氏や上杉氏などから何度も攻められながら、一度も落城しなかったそうです。歩いていると、その理由が少しずつ分かってきます。
石積みも見事ですが、一番感動したのは「月ノ池」と「日ノ池」。山頂近くに、きれいな石組みで整備された池があるのです。山城では水が命。この池があることで、お城を守る人たちはどれほど安心したことだろうと想像しながら眺めていました。


ガイダンス施設へ
ひととおり城跡を歩いたあと、9時開館の金山城ガイダンス施設へ。入館無料で、建物は隈研吾さんの設計です。展示も充実していて、金山城についてさらに理解が深まりました。

新田氏の城というイメージでしたが、その後は岩松氏、家臣だった横瀬氏(後の由良氏)、さらに後北条氏へと支配が移り、約120年間も関東有数の山城として機能していたことを知りました。前日に新田荘歴史資料館で勉強した内容ともつながってきて、歴史が一本の流れとして理解できるようになりました。
「千姫を大河ドラマに!」って、どうして?
ところで、前日の新田荘歴史資料館でもこのガイダンス施設でも、「千姫を大河ドラマに!」というポスターやのぼりを見かけました。千姫って、家康の孫で豊臣秀頼に嫁いだ、あの千姫? どうして太田なんだろうと不思議だったので、職員さんに聞いてみました。
すると、豊臣家滅亡のあと、千姫はしばらく太田に身を寄せていた時期があったそうです。なるほど、だから太田では千姫ゆかりの町としてPRしているんですね。さらに「日本に二つしかない縁切寺の一つも太田にあるんですよ」というお話まで教えていただきました。もう一つは鎌倉の東慶寺です。
縁切寺の話が面白かった
この話をすると、友人が「そこ、行ったことあるよ」と言います。どんなお寺なのか聞くと、縁を切りたい相手の名前を書いて流す場所があるそうです。トイレのような仕組みになっていて、そこへ流すことで縁が切れるのだとか。面白い(笑)。私は今のところ特に縁を切りたい人はいませんが、もしそんな事態になったら行ってみようかな。
そういえば鎌倉の東慶寺には行ったことがあります。今では花のお寺という印象が強く、とても静かで爽やかなお寺でした。でも太田のお寺は、今でも「縁切寺」としての役割が色濃く残っているそうです。同じ縁切寺でも、ずいぶん雰囲気が違うものですね。
パン屋さんで朝ごはん
金山城をあとにして、最後はパン屋さんへ。友人おすすめの「WANDERLUST」です。でも友人はずっと「マイピア」と呼んでいました(笑)。昔から地元に住んでいる人は、やっぱり昔の店名で呼ぶんですね。おしゃれなお店で、美味しいパンをいただきながら、今回の旅もいよいよ終わりです。

最後にスバル最中
帰り際、友人がお土産に「スバル最中」を持たせてくれました。これには感激しました。太田といえばSUBARU。新田の歴史だけでなく、現代の太田を代表する産業まで感じられる、太田らしいお土産です。こういう心遣いは本当に嬉しいですね。

一つの町を、じっくり楽しむ旅
今回の旅は24時間ほど。でもその中に、友人との再会、新田義貞という人物との出会い、金山城の素晴らしさ、太田ならではのインド料理、そして地元の人だから知っている話と、たくさんの発見がありました。
最近は、あれもこれも詰め込む旅はしなくなりました。一つの町に泊まって、ゆっくり歩き、歴史を学び、美味しいものを食べ、その土地の空気を感じる。そんな旅が、今の私には一番合っているようです。
太田。また季節を変えて、ゆっくり訪ねてみたい町が一つ増えました。
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